大脳と安達式記憶術による記憶のプロセスについて
(仮題


安達式記憶術による記.憶向上のプロセス(要約) 

 人間の記憶のプロセスは大きく分けて、言語などの五感から得る情報をまず短期記
憶として海馬という部位に20秒前後保持し、重要な情報は短期記憶を長期記憶とし
て大脳皮質に蓄積するという過程を経て行われます。すなわち聞いたこと・感じたこと
(短期記憶)を覚え込む(長期記憶)ということです。しかし、問題は好きなことはすぐに
どんどん覚えることが出来るのに、大事な学校の授業はなかなか覚えることが出来な
い、生物学的には単なる同じ情報でしかないのに。安達先生が創始された安達式記憶
術は、授業を受けて先生が話す情報を短期記憶から長期記憶へ全て送り込み、覚え込
むという正しく他に類を見ない方法です。


はじめに
 安達式記憶術は、安達長俊先生が多くの脳に関する一般書籍から専門医学書を元に
人間の記憶のプロセスを徹底的に研究され創始された記憶法です。

 安達式記憶術はシンプルな反面、修得には細心の注意が必要であり、わずかな情報
などで、誤った練習をすると出来なくなってしまう恐れもあるため、経験を積んだ指導者
に学ぶようお願い致します。

 なお、一部の単語に現在使われていない表現がありますが、安達先生が研究された
当時の表現に準じて表記してあります。


1.記憶とはどういうものをさすのか

 記憶には、人間としての進化の記憶、遺伝子的記憶、本能的な記億、原型的な記憶
体の記憶、エピソード的な記憶、個人的記憶、身体的な技能についての記憶、イメージ
の記憶、そして知的技能の記憶などがあります。
 私たちは、これらの記憶を総合的につかって、日常生活の様々な判断を行い、生活し
ているのです。
 このように記憶には各種の記憶がありますが、ここでとりあげる記憶とはこの中の学習
で身に付ける一般的知識の知的記憶について解説いたします。
 そしてこの知的記憶をどのように獲得するか、そしてそのためにどのようにすれぱよい
のか検討するものです。

 その中で、記憶について考える時、まず「記憶」という行動をする場合のその記憶の過
程を時間の順序に従って分析することが必要です。

 安達式記憶術の内容を解明する為にもぜひとも必要とされます。

 記憶を時間の順序に従って分析するとそれは「記銘」「保持」「再現」の三つの働き
に分けることができます。
「記銘」と言うのは記憶材料を「覚えこむ」働きをいい、これが記憶の第一歩です。
記銘されたものはある時間保存され必要な時に役立てられなければなりません。
 記銘された内容の保存を「保持」といいます。しかし記銘も保持も、それ自身を観察す
ることはでぎません。
 記銘され保持されたかどうかは、「再現」を通じて、はじめて明らかにされます。
すなわち、記銘保持された内容は「思い出してみる」か「話をする」か、「答案用紙に書
く」かによってはじめてそれを確認できるのです。

記憶の時間的流れによる区分
記銘→保持→再現

 ところでそうした記憶行動の一方で、私たちは単に頭の中で記憶(内的記憶)を行な
うだけでなく、外的物質を利用して内的記憶の不十分さを補うことをしています。

 これを外的記憶(記録)とよんでいます。

 これはノートをとったりカードを作ったり録音したり写真を撮ったりして記録して
おくことをさします。これらの外的記憶は一般的には記憶とは呼ばず、記録といって
います。ところで外的記憶(記録)は仕事をこなす為などには大いに役立ちますが、
いわゆるペーパーテストには全く役立ちません。なぜならそれらを試験の会場に持ち
込んで使用することはできないからです。

 安達式記憶術がめざすのはあくまでも内的記憶(記憶)の強化です。
 受験、テストその他私たちが直面する知的記憶に関する目標は、内的記憶そのもの
です。従って、これからの各種の記憶法の検討にあたっては、外部の情報と接してか
ら、この内的記憶の完成までの、正確性、当初情報に対して記憶された情報量の割合
、保持された時間の長短、効率性等を検討しなければなりません。(以下記憶という
場合はこの内的記憶に限定して記億と記述します)


2.記憶が保持される時間の長さに関しての分類

 記憶については、記憶された時間、厳密に言えば記憶が保持される時間の長短によ
りこれを区分することができます。ここでは記憶は、短期記憶、長期記憶の2種類に
分類されます。
 短期記憶は、外部の情報を瞬時瞬時によみとり、判断して行動するための基礎的記
憶です。
 例えば車を運転している状況で説明すると、前方の車、横を走っている車、信号の色
を見ながら、スビードメーターを見ながら、更にエンジンの音を聞きながら、といった様子
であらゆる情況を判断しながら運転しています。
 この瞬時瞬時に飛び込んでくる情報を、しばらくの間、記憶しておくための記憶を短期
記憶
といいます。(短期記憶を特に区分して一時記憶、直接記憶又は超短期記憶と呼
んでいる場合もあります。)
 これらのものは記憶というにはふさわしくない程の短い希薄な記憶です。

 これに対し長期記憶は脳の記憶分野に記憶され、比較的容易に再現できるようにな
っている記憶です。例えば自分の生年月日や住所氏名、数学の算式や英単語などの記
憶です。しかし長期記憶というのはこれらのような確たる記憶ばかりではなく、多少あい
まいな記憶でも一度覚えたものはこの長期記憶に分類されます。一般的に私たちが一
度覚えたと意識することは全てこの長期記憶に区分されます。


3.記憶する感覚器官による分類

 記憶行動については私たちが記憶する為に使う感覚器官の種類別によってもこれを
分類することができます。今、記億すべき対象としている知的記憶は聴覚視覚によ
って記憶されます。聴覚による記憶とは先生の声やテープの声、テレビやラジオの音
声など音の情報を記憶するものです。これにたいして視覚による記憶とは、教科書の
文字、参考書、ノートの文字、黒板の文字や図形など視覚による情報の記憶です。た
だ、いずれの方法による場合でも、相互に補完しあって記憶しています。

 安達式記憶術は、先生の話し言葉という耳から入ってくる情報を聴覚をトリガ
ー(きっかけ)にして記憶する方法
です。又「スーパーラーニング」といわれる語学の
勉強法やテープを聞いて記憶する方法もこの聴覚をつかった記憶法です。

 ところで記憶術とならんで研究されているものに速読術というものがあります。こ
の速読術と言われるものはもっばら目からの情報を視覚によって記憶するものです。
これも記憶するための重要な手段といわれています。
 さて聴覚は視覚にくらべて疲労しにくい感覚器官といわれています。日常生活にお
いても、なんとなく耳の方が目より疲れにくいような気がします。
 人間の感覚としては他に味覚、触覚、嗅覚がありますが、これらの感覚は、今いう
知的記憶には直接関係のない感覚器官です。

感覚器官による分類
聴覚...先生の授業(肉声)、録音したテープ
視覚...教科書、参考書、ノート、黒板の文字や図形



(続く)             

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